「商品を安全に届けたいけど、どんな緩衝材を選べばいいのかわからない」
そんな悩みはありませんか?
梱包作業の中でも特に重要な役割を果たすのが“緩衝材”です。
この記事では、緩衝材の基本的な役割から代表的な種類、
そして気泡緩衝材(プチプチ)の特徴と選び方まで、
初心者の方にもわかりやすく解説します。
【1】緩衝材とは?基本の役割とポイント
緩衝材とは、配送中に起こる衝撃や振動から
商品を守るための資材のことです。
大切な商品が傷つかないように包み、
箱の中で動かないようにする役割があります。
📌 衝撃吸収 : 輸送時の衝撃をやわらげる。
📌 隙間埋め : 箱の中で商品が動かないようにスペースを埋める。
📌 防湿性 : 湿気や水分から商品を守る。
そんな大事な役目を果たしてくれる緩衝材ですが、
どんな種類があるのかご存じの方は多くありません。
実際にどのような種類があるのか、わかりやすく解説します。
【2】緩衝材の主な種類と特徴
緩衝材とひと口に言っても、素材や形状はさまざまです。
商品によって最適な緩衝材は異なるため、「なんとなく」で選んでしまうと
保護力が不十分だったり、梱包コストがかさんだりすることも。
ここでは、代表的な緩衝材の種類と特徴をご紹介します。

気泡緩衝材(プチプチ・バブルラップ)
- ポリエチレン製のシートに小さな空気の気泡が入った、
- 一般的に「プチプチ」と呼ばれる代表的な緩衝材です。
- ✅ ポイント
- ・ 軽量でクッション性が高く、湿気にも強い
- ・ 大小、重量問わず幅広い商品に対応
- ・ 気泡の大きさや層数を選べるため、用途に応じた調整が可能
- 🛠️ 主な用途
- 雑貨/ガラス製品/食品/精密機器/電子部品 など

紙製緩衝材(クラフト紙・ボーガスペーパー)
- 再生紙などでできた、シンプルな紙製の緩衝材です。
- くしゃくしゃにして隙間を埋めるタイプや、
- 波状に加工されたシートなどがあります。
- ✅ ポイント
- ・ 環境配慮型として評価されやすく、リサイクルしやすい
- ・ 緩衝性と柔軟性を兼ね備え、形状の調整がしやすい
- ・ 包装材や仕切り材としても使える万能型
- 🛠️ 主な用途
- 化粧品/雑貨/アパレル/陶器製品/ギフト など

空気緩衝材(エアー緩衝材)
-
- 袋の中に空気を封入したチューブ型・ピロー型の緩衝材。
- 出荷直前に空気を注入するタイプが多く、
- 保管スペースを取らないのも特徴です。
- ✅ ポイント
- ・ 軽量でクッション性が高い
- ・ 簡単に潰せるので、開梱後のゴミもかさばらない
- ・ 比較的大型の商品にも対応できる汎用性
- 🛠️ 主な用途
- 家電/雑貨/セット商品の隙間埋め/箱内固定 など

発泡緩衝材(バラ緩衝材・コーンスターチ)
- 発泡スチロールやコーンスターチ由来のバラ状素材で、
- 「詰めるだけ」で隙間が埋まり、衝撃を吸収します。
- ✅ ポイント
- ・ 緩衝性に優れ、異形の商品にも対応しやすい
- ・ 商品の形状にフィットしやすく、衝撃吸収力が高い
- ・ 軽いためスピーディな作業が可能
- 🛠️ 主な用途
- 小型雑貨/軽量品/ギフト商品の緩衝材 など

ポリエチレンシート(ミラーマット)
- 柔らかく発泡されたポリエチレン製のシート状緩衝材。
- 製品を巻いたり包んだりするのに適しています。
- ✅ ポイント
- ・ キズ防止や、商品同士の接触防止に効果的
- ・ 耐水性があり、多様な環境に対応
- ・ 家具や家電、金属パーツなどの保護用途にも使われる
- 🛠️ 主な用途
- 陶器・ガラス製品/電子部品/家具・什器の包み など

紙パッキン
- 細く裂いた紙をクッション材として敷き詰めるタイプの緩衝材。
- 見た目の柔らかさもあり、梱包と同時に商品演出としても利用されています。
- ✅ ポイント
- ・ 緩衝性だけでなく、華やかさや演出効果もプラス
- ・ カラー展開が豊富で、商品イメージや季節に合わせやすい
- ・ リサイクル可能な紙素材で、環境にもやさしい
- 🛠️ 主な用途
- ギフト包装/雑貨類/アクセサリー類/食品の緩衝 など

巻き段ボール・波板シート
- 薄い段ボール素材や、凹凸加工された紙を使った緩衝材。
- 曲げたり巻いたりして、商品の保護や隙間埋めに使われます。
- ✅ ポイント
- ・ 丈夫で耐衝撃性に優れ、再利用も可能
- ・ 自由にカットできるので、変形商品にもフィット
- ・ クラフト感があり、ナチュラルな演出にも使える
- 🛠️ 主な用途
- 書籍・雑貨/瓶・缶詰類/段積み商品の養生/家具脚の保護 など
緩衝材は商品のサイズ・形状・重さはもちろん、
開封時の印象や環境への配慮も踏まえて、最適な素材を選ぶことが大切です。
【3】気泡緩衝材(プチプチ)の種類と選び方
梱包資材の中でも、もっとも広く知られているのが「プチプチ」と呼ばれる気泡緩衝材です。
最も使われる定番資材ですが、“選び方”までご存じですか?
その知名度から「とりあえずプチプチを使っておけば大丈夫」と思われがちですが、
実は構造やサイズの違いによって、保護性能に大きな差が出ます。
商品に合ったタイプを選ぶことで、破損リスクやコストのムダを大きく減らすことができます。
ここでは、気泡緩衝材の基本構造と選び方をわかりやすく解説します。
🔵 構造の違い
➡ 2層タイプ
気泡が片面にある一般的なタイプ。
軽量で柔軟性があり、小型商品におすすめ。
➡ 3層タイプ
気泡を挟むようにシートが3層になっており、強度が高い。
重い商品や大型商品の梱包に向いています。
🔵 気泡の大きさによる分類
➡ 小粒 :気泡の直径約7mm。精密機器や小物に最適です。
➡ 中粒 :気泡の直径約10mm。一般的な商品の保護に広く使われています。
➡ 中大粒:気泡の直径約20mm。家電や大型商品に適しています。
➡ 大粒 :気泡の直径約32mm。家具や大型什器の梱包に使用されています。
🔵 商品別おすすめ例
📱 電子部品・食器
➡ 2層タイプの小粒〜中粒を使用。隙間は厚紙や発泡スチロールで補う。
☕ 食品・飲料
➡ 2層の中粒〜大粒タイプ。水濡れにも注意。
👔 衣料品
➡ 柔軟性の高い2層の中粒タイプで包むと安心。
🖥 家電・電子機器
➡ 3層タイプや中粒〜大粒タイプで保護。隙間は発泡スチロールで補強。
🪑 家具・大型商品
➡ 3層タイプや大粒のプチプチで強度を重視。
“なんとなく”ではなく、“合ったもの”を選ぶ。
プチプチは「万能」に見えて、実は非常にバリエーションのある資材です。
商品サイズや重量に応じて、気泡のサイズや構造をしっかり選ぶことで、
輸送中のトラブルを未然に防ぐことができます。
【4】緩衝材選びのポイント

どんな商品にも「ちょうどいい保護」があります。
緩衝材はどれでも同じ、というわけではありません。
壊れやすさや梱包環境に対する理解がないまま選んでしまうと、
「丁寧に包んだのに壊れていた…」というケースにもつながりかねません。
🔷 商品の壊れやすさを見極める
🔷 輸送時の衝撃を考慮する
🔷 コストとのバランスを取る
🔷 環境への配慮も検討する(紙製や生分解素材など)
──ポイントを押さえて、ムダなく、しっかり守る。
緩衝材選びは「見た目」や「慣れ」ではなく、
目的に対する“適材適所”の視点が不可欠です。
複数の素材を組み合わせることで、商品の安全性はぐっと高まります。
【5】まとめ
“無事に届く”は、ブランドの信頼に直結します。
商品を守る緩衝材は、単なる“資材”ではなく、
ブランドの印象を左右する重要な要素です。
とくにECでは、梱包を開けた瞬間の体験がそのまま「お客様の評価」につながることも。
気泡緩衝材(プチプチ)は定番のアイテムですが、
構造や気泡のサイズによって向いている商品が異なります。
また、紙緩衝材やエアー緩衝材などを組み合わせることで、
より高い保護性とコストパフォーマンスが期待できます。
環境配慮や見た目の演出も含めて、最適な緩衝材を選ぶことは、
ただ壊れないようにする以上に「届け方の品質」を高める第一歩です。
緩衝材を上手に選び、商品が「無事に・心地よく」届くための工夫をしてみましょう。